リターンライダーとなったきっかけ、その楽しさ
2007年7月開催
2007年7月某日、「リターンライダーへの道」に参加していただく4名のライダーたちが一同に会する座談会を開催しました。まったく違った環境でリターンライダーライフを楽しむ4人。どういう経緯でリターンし、どうやってバイクライフを満喫しているのか、そして本企画に寄せる期待などを、みなさんにお聞きしました。
東京都東村山市在住
年齢 : 44歳
所有バイク : スズキGSR600A 600cc
リターンするまでの期間 : 約3年
体を悪くしてバイクを降りるも、バイク仲間の応援で華麗にリターン。一途にバイクを愛する奥田さんのモットーは「目指せ100歳ライダー!」。
埼玉県さいたま市在住
年齢 : 50歳
所有バイク : ヤマハFZ6S Fazer 600cc
リターンするまでの期間 : 約30年
「バイクに乗ること」をひたすら追求する中井さんは、ソロツーリングのスペシャリスト。30年間のブランクからのリターンは、参加メンバー最長記録です。
東京都世田谷区在住
年齢 : 41歳
所有バイク : カワサキZR7S 750cc
リターンするまでの期間 :約12年
家族と一緒に決めたルールを守って、計画的なバイクライフを楽しむ山下さん。ツーリングでは、バイクを降りたあとの食事や温泉も楽しんでいます。
埼玉県吉川市在住
年齢 : 41歳
所有バイク : ホンダ CB750 750cc
リターンするまでの期間 : 約17年
家族全員でバイクライフをエンジョイしている吉田さん。リターンして大型免許を取得し、若い頃憧れていたバイクに乗る日々を楽しんでいます。
※2007年7月現在のプロフィールです
司会進行:菊地文彦(ケイズワーク代表取締役)
アドバイザー:坂上勇一(NMCA広報部長)
菊地
みなさん本日はよろしくお願いします。まず最初に、みなさんがバイクと出会ったきっかけ、リターンライダーとなったきっかけを教えていただけますか。
奥田
もともと釣りが好きで、山に入れるバイクということでオフロードから始まりました。最初は小さいバイクに乗っていたんですが、誘われたツーリングに顔を出していたらどんどんバイクが大きくなって、今のバイク(スズキGSR600A)に至ります。走るときのモットーは「絶対コケない、事故らない」です。数年前に体の調子を崩して、一度バイクを降りました。やっと最近体調が戻ったらバイクの虫がウズウズし始めて、そんなときに限って友達からのお誘いがいっぱい来るので、「じゃあその気になってみるか」とリターンしました。ブランクは3年くらいですね。
19歳の山下さんと当時の愛車ヤマハXT250T。「スリムフィットのタイトジーンズ、当時流行の短いウエスタンブーツ、時代を感じます」とはご本人の談。
山下
乗り始めたのは1985年の夏です。当時19歳で、まさにバイクブームのピークでした。平(忠彦)さんが資生堂のCMに出ていた頃で、「カッコイイなぁ」と憧れていましたよ。レプリカ、林道、ツーリングと色々なブームに乗っかって、8年間、27歳まで乗っていました。28歳で結婚して、そのときに仕方なくバイクを降りて、それから12年間はまったく乗らない、触らないという状況ですね。
「50歳になってもバイクに乗っていたい」と思う一方で、「45歳を過ぎて乗っていなかったら、もう一生乗らないだろう」という考えがあったので、40歳を過ぎてからは焦りましたが、子どもが小学校高学年になったのをきっかけに、家族会議を繰り返して、やっとのことで去年バイクを購入しました。
今はかつてのバイク仲間に、「とにかく乗ろうよ」と声をかけているところです。
約20年前の吉田さんと当時の愛車CBR250。憧れの「赤白」CB750は、このときはまだ夢のマシンでした。
吉田
初めてバイクに乗ったのは20歳くらいのときです。そのときお付き合いしていた方がカワサキのニンジャに乗っていて、いつも彼の頭越しに走りを見ていて、「自分でも乗ってみたいな」と思ったのがきっかけです。週末は彼の後ろに乗せてもらって大垂水峠や相模湖、江ノ島なんかに連れて行ってもらって、バイクの楽しさを教えてもらいました。
20歳で免許を取って23歳まで乗っていましたが、仕事を辞めて実家に戻ったらバイクに乗る友達がいなくなったことと、車を買ったことでバイクを手放してしまって、それからずっと乗っていませんでした。3年前に主人が大型自動二輪免許を取ったのを見て、「うらやましいな、私もまた乗りたいな」と思ったのがリターンするきっかけです。
最近は教習所で大型自動二輪が取得できるということもあったし、年齢も40歳になるときだったので、「これを区切りに何か新しいことに挑戦したい」と思って、大型を取ることに決めました。
15年以上のブランクがあったので、免許取得には苦労しました。それと教習所に通っていて感じたんですけど、中型を取りに来ていた若い女の子と私とでは、教官の対応がかなり違うんですよ(笑)。若い子には優しい口調なのに、私にはひと言ふた言がグサッと来るんですよね。
菊地
それはいけませんね。
吉田
でもそれが逆に励みになりました。「絶対取ってやる!」って思いましたから(笑)。
中井
最初の免許は友達に誘われて16歳のときに取りました。当時は教習所で350ccを選んで免許を取れば、どんな排気量のバイクでも乗れたんですよ。
坂上
中型と大型の区別がない時代ですね。
中井
僕が免許を取った翌年から限定解除の制度が始まるのでラッキーでした。最初に買ったのは中古のCB500Fourでしたが、高校卒業前に手放しました。バイクはそれ以降まったく乗りませんでした。
数年前転職したんですが、その会社が都心から100キロほどの場所で研修をするんです。最初のうちはそこまで電車で通っていたんですが、ちょっと考えたら「バイクの免許持ってるな」って思って。どうせ行くなら楽しく行きたいと思って、2年前の8月にバイクを購入しました。
僕は単に「バイクで走る」のが好きなんですよ。目的はあまり必要じゃない。とにかく走り回っていたら、走行距離が2万5000キロを超えてしまいました。
菊地
バイクに乗っていなかった期間はどれくらいあったんですか?
中井
今50歳ですから30年強ですね。
菊地
それはかなり長いブランクですね。
中井
さすがに心配だったので、埼玉県警の講習会に何回か通いました。
ビックリしたのは、バイクを蒲田で受け取って埼玉へ帰るときに、首都高でエンジンが止まっちゃった時のこと(笑)。今のバイクは安全装置があって、サイドスタンドを降ろしてクラッチを握っているとエンジンがかからないんですよね。僕が乗っていた時代にはそんなことなかったですから。
菊地
リターンする際にはいろいろな障害もあったと思います。それを克服する過程、方法などを聞かせてください。
吉田
まず「家族を巻き込もう」と思い、大型に乗り始めたときに小学五年生の娘とキッズスクールに参加しました。体験が終わったあとも娘がまだ乗りたいというので、ホンダ主催の親子バイク体験に行って、今もときどき親子で参加しています。
中学三年生の息子も、私が通勤に使っているマジェスティにまたがって、「手も足も届くから、乗りたいなぁ」と言っているので、「免許を取れる年齢になって、バイクの講習会に参加するならOK」と言ってあります。
それと今、バイク用ガレージのついたマイホームを建築中なんです。本当にバイク中心の生活になっていますね。バイク様様という感じです。
菊地
吉田さんは周りの環境を作ってきたお話でした。山下さんはいかがですか?
山下
我が家はバイクに乗ることの同意をなかなか得られないんですよ。「事故を起こしたらどうするの?」って言われると返す言葉がない。そこでまず、家族を説得する理由を用意することを考えました。
私はインターネット関連の仕事をしていて、ヤマハさんの仕事もやっています。その仕事で「どうしてもまた乗らなくてはいけないことになった」と説得することにしたんです。WEBサイトを立ち上げのために、「取材に行かないといけない」「この仕事で家族は食べていける」などと大義名分をつけて説明しました。
菊地
説得はできても、やっぱり心配はされますよね。
山下
子どもは「好きでやってるんだから別にいいんじゃない」と言ってくれるんですが、カミさんは私が若いときに事故を起こしたことを知っているので心配しますね。そこで、心配させないようカミさんとは「無茶な乗り方はしない」「なるべく夜走らない」「どこかへ着いたら連絡する」といった約束をしています。やはり家族の了解のもとに乗っているので、最低限のルールは守らないといけませんよね。
菊地
奥田さんは3年というショートリターンですが、いかがですか。
奥田さんが以前乗っていたTDM850。志賀方面にツーリングに出かけた際の写真です。
奥田
体を壊してしばらく乗らなくなったら筋力が落ちてしまいました。バイク仲間から声をかけてもらってリターンはしたのですが、以前に乗っていたTDM850 は駐車するときや出発するときの負荷が大きかったので、軽くて扱いやすいGSRに買い替えました。
近くで行う講習会にも頻繁に参加しているんですが、最近は60歳、70歳という方も来られています。自分のバイク仲間にもそういう高齢の方がいるんですけど、みんなとてもいい顔をしているんですよね。そういう顔を見ていたら、「バイクに乗っていた方がいいのかな」っていう気になりますね。
体を壊したとき、治療やリハビリ続きで気が滅入ってもやもやしても、バイクに乗ったらそれがすっと消えていくんです。だから、これからも乗り続けていきたいと思っています。これを言うと笑われるんですが、「目指せ100歳ライダー」を目標に、体が動くまで乗ろうと思っています。
中井
私の場合苦労がまったくないんです。女房がいなくて一人なので、乗ると決めたらバイクを調べて、買って、突っ走っただけという(笑)。
菊地
それではバイクに乗る際にご自身で躊躇はなかったですか? 心のなかのブレーキというか、「この年になって大丈夫かな?」といったことを考えませんでしたか。
中井さんの愛車ヤマハFZ6S Fazer。中井さんがバイク購入のときに設定した3条件を満たすマシンは、ほかにはホンダのホーネット900一台だけだったそうです。
中井
大変なことを始めるのかな、みたいなことはありましたけどね(笑)。
バイク屋さんに行って、「100馬力」「シート高80以下」「乾燥車重200キロ以下」という購入条件に当てはまるバイクにまたがらせてもらったりして、それを繰り替えすうちに「大丈夫だな」っていう確信が生まれました。私は背が低いので、80センチというシート高は重要なんですよ。
吉田
シート高は大きいですね。
菊地
中井さんは、まず自分が操れるかどうかを点検したわけですね。
中井
その過程で購入候補にあったCBR1000RRなんてやめましたから。そういうことを繰り返しているうちに、自分に無理なことがいろいろとわかりました。
菊地
みなさんは今の自分のコンディションに合わせてバイクを見直していますが、リターンライダーにとって再び乗るときのバイク選びのコツ、といったことを少し聞かせてください。
奥田
まず自分が「絶対好きだ」というバイクに出会うことが一番だと思います。多少重くても乗りにくくても、惚れこんでいれば、そのバイクを乗りこなすために、たとえば体力がなければ筋力をつけようと考えて実行すると思います。
菊地
最初はまず愛、ですね。
奥田
病気治療と同じで、まずは気持ちが一番大事なんです。好きなバイクに乗れることが喜びなんですよ。そうすると必然的に長く乗れるんじゃないでしょうか。
菊地
そういうバイクならもちろん大事にするし、大事に乗ろうとする。無茶なことをしないという気分も出てきますね。
山下
過去に事故を起こしているので、バイクを制御できなくなる怖さを知っています。だから制御できるバイクが最優先です。
バイクを買う前にレンタルを利用して、スズキの隼をはじめ、大きなバイクに乗ったんですが、みんな昔の750ccよりもずっと乗りやすいんですよ。まるで中型みたいに乗れてしまう。でも昔の感覚で120キロ、130キロと出したときに、この大きなマシンを制御しきれるのか、と不安になったんです。昔と違って今は背負っているものもあって、おいそれと転倒はできませんからね。
だからまずはコントロールできるバイクですね。それと危険な領域まで踏み込まない、踏み込めないバイクを選ぶということもあります。機械に対する制御と自分に対する制御をしているんですね。
菊地
吉田さんはどうですか。
吉田
ずっと憧れていた赤白のCB750があって、「絶対これだ!」と思ったんですが、またがったときに足がバレリーナ状態だったんです。調べたらオプションでローシートがあったので、それをつけてもらったら足が少し着くようになって、蹴り出せるようになったんです。それだけでずいぶん不安がなくなりました。
小柄な女性が大きなバイクに乗って停車するとき、お尻をずらして片足を接地させる方法があるんです。最初は「あまりかっこよくない」と思ってたんですけど、実際はこの方法のほうがきれいだし、危なくないとわかったので、今は私もこの乗り方です。
菊地
不安材料を潰していく、というのが吉田さんのやり方ですね。
菊地
リターンしてみて気づいた変化って、何かありますか。
吉田
ファッション的なスクーターが増えました。中でもビッグスクーターに乗る女性はとても軽装の方が多くて「怖いな」と思います。私が通っているスクールでは、プロテクターをつけて、まず安全運転を考えて練習します。手軽な乗り物だけど、危ない乗り物ということですよね。バイクが身近になった分、身の安全を安易に考えている方が多いのかな、と感じています。
菊地
女性ライダーにとってのバイク環境の変化はありますか。
吉田
女性がバイクに乗ることは、昔だったら「女だてらに」なんて言われると思うんですが、最近はそう言う人は少ないですね。逆に「かっこいいね」って憧れの目線を受けたりします。周囲の目線が変わってきているんじゃないですか。若いときはトラックに煽られたり、クラクションを鳴らされたりとか多かったんですけど、最近はそういうこともなくなっているし。
菊地
山下さんはいかがですか。
山下
10代の頃は始点と終点の間をいかに速く走るか、という乗り方でした。今は走るだけでなく、バイクを降りる場所にもこだわって乗っています。おいしものが食べられたり、温泉があったりと、走る以外の目的があります。オートバイに関しても、速さではなく、乗りやすくて疲れないものを選んでいます。
それと最近ツーリングでよく感じるのは、若い人がいないことですね。僕らが一番後輩みたいな感じなんですよ。もうちょっと若手が乗らないと、あと20年くらい経ったら誰もいなくなるんじゃないか、という危惧もあります。
菊地
NMCA日本二輪車協会でアンケートを取ることがありますが、そこでも30代から上の人たちが圧倒的に多いですね。
奥田
私の場合は体を壊して一度乗れなくなってますので、自分の体は大事にしないといけないな、無理しちゃいけないな、ということですね。以前は疲れようがなんだろうが、行きたいところまで行って帰ってくるという感じでした。でも最近はどこまで行って、何時くらいまでに帰ってこようと計画を立てています。
歳のせいもあるし、リターンして間もないということもあって、まずは疲れたら危ないという認識がありますね。
それと乗り換えたバイクはうっかりしているとスピード違反になりそうなくらい高性能なんで、勘違いしちゃいけないな、という部分もあります。最近のバイクは自分の腕が一クラスも二クラスも上がった気になるんですよね。そこは少し危険だなと考えています。
菊地
それでは中井さんにお伺いします。リターンして変わったことはなんでしょう。
中井
私は高校生のときに何の目的もなく走っていたんですけど、今もあんまり変わらないんですよね。ただ走ってる(笑)。ただ距離を稼ぐことを考えているだけなんです。
菊地
バイクとの付き合い方が変わってないんですね。
中井
高校生のときはそんな長距離を走ることはなかったんです。その辺は変わりましたね。
菊地
みなさんはバイクの性能の差を感じることはありますか。基本的には乗りやすくなっているんですよね。
山下
乗りやすくなっていると思います。
菊地
安全なものになっているともいえる。
奥田
なっていますね。確実になっていると思います。
菊地
では乗り手はそれにちゃんと対応できていますか。安全で乗りやすいバイクは、乗り手の技量は求めないものですか。それともやはり相応の技術を必要とするものですか。
奥田
乗りやすくなっているので、その人相応の領域まではよいのですが、扱えるレベルを超えてしまうポテンシャルが今のバイクにはありますから、そこへ踏み込んだときにコントロールができなくなるんだと思います。
最近体を慣らすために奥多摩を走っていますが、輸入車やスーパースポーツといった高級車が転倒しているのをよく見る気がするんです。それはやっぱりコントロールできていない、ということだと思います。
菊地
さっき山下さんがおっしゃったコントローラブルという話につながりますね。
山下
性能を頼ってしまうのも仕方がないかもしれません。今のバイクはパニックでブレーキをかけても、自分が思っているよりずっと前で止まってくれますからね。
僕が一番進歩を感じるのはタイヤです。本当にスリップしなくなりましたよ。万が一タイヤがスリップしても、今度はマシンががんばってくれますし。
あとは壊れにくくなった、というのもあります。昔は半年も乗ったらアクセルワイヤーだけでもスペアで持っていたりしたじゃないですか。今はそんな人いませんからね(笑)。
菊地
吉田さんはどうですか。
吉田
私の主人が半年くらい前に、CB1300のABS付きに乗っていました。タンデムで後ろに乗っていたんですが、急制動をかけても体が前に行くことがなくて、「ABSいいよね」と私は言ってたんです。でも主人は「性能はいいけど、大排気量のバイクを操る技量が足りない」と、VFR800に乗り換えてしまいました。
坂上
人間の技量よりもバイク技術の進化が先へ行ってるとは思います。バイクレースの頂点であるMotoGPも、去年までは1000ccだったんですが、今シーズンから800ccにスケールダウンしました。その理由はスピードが出すぎるからです。世界最高峰のレーサーたちが制御しきれないほどマシン性能が上がっている。それは市販車にもいえることです。バイクの力を10としたら、5~6までは技術的についていけると思います。でもレーサーレプリカで10を出そうとしたら、直線以外は無理でしょう。サスペンションやブレーキ、タイヤは20年前とは比べ物になりません。だから乗りやすさは圧倒的によいのです。しかしある領域へ入ったとき、バイクを制御することが難しくはなるのは事実です。
菊地
これからのバイクライフの夢や目標を聞かせてください。また、これからリターンしようと思っている人たちにメッセージもお願いします。
中井
大きなケガをせずに、いつまでもバイクで走り続けたいですね。
リターンしようとしている人には、「悩んでいるんだったらリターンしなさいよ、たいしたことじゃないんだから」と言いたいですね。50歳過ぎればそういうことする余裕も出てくると思うので、講習会に参加したりして、最初は勉強しながら、こちら側へ来てください。
吉田
バイクは自分で操作できることが一番楽しいんです。この楽しさは、外の温度差も感じず、音楽を聴きながら快適に移動する自動車では味わえないと思います。過去にバイクに乗っている人は、風を受けて走る気持ちよさを、もう一度体験し、思い出してほしいですね。
山下
夢はカミさんをバイクに乗せて、旅に出ることです。バイクには反対のカミさんですけど、たまに近所のお惣菜屋さんに乗っけていって、二人で立ち食いしたりするんです。その雰囲気がとても好きなんですよ。だからおいしい食べ物のある場所へ、カミさんを乗っけていきたいと思っています。
リターンを考えている人には、日本が世界に誇るバイクの技術を絶やすな、という考えがあるので「とにかく乗ってください」と言いたい。みんながバイクに乗らなくなったら、この技術は死んでしまいますよ。
奥田
夢は最初に言った「目指せ100歳ライダー」ですね。体が続く限りバイクには乗りたいと思っています。
車と違って、バイクは知らない同士が駐車場で集まっても、「こんちわー」とか「どこまで行くの?」とか、気軽に声を掛け合いますよね。そこでまた人の環が広がっていくという、不思議で楽しい世界があるんです。そういう魅力があるので、リターンを考えている人には「とりあえず乗りましょう」、と言いたいです。家庭の事情とか、環境とか厳しいものはあると思うんですけど、そういうことを乗り越えて、とりあえず乗ってみましょうと。
菊地
最後に10月に控えたツーリングへの豊富を一言お願いします。
奥田
平さんは我々にとってはカリスマですから、そういう人と一緒に走れるというのは、それだけでワクワクしてしまいます。ツーリングを楽しみにしています。
山下
みなさんがどういう風に走るのかな、というのが一つ楽しみですね。もうひとつは、グランプリレーサーの平さんが街中や峠をどうやって走っているのかをしっかり見届けて、可能であれば、それを自分のライディングにも取り入れたいですね。
吉田
ツーリングは主人としか行ってませんので、今回はみなさんと行けるツーリングが楽しみですね。
菊地
ご主人のいないロングツーリングは今回始めてですか?
吉田
そうですね。うちの主人心配して、後ろからついてきそうな気がしますけど(笑)。
菊地
最後に中井さん、お願いします。
中井
私はみなさんとちょっと違っていて、基本が一人なんです。複数でツーリングって行ったことがない。
菊地
それもスタイルですよ。
中井
ですから、うまく一緒に走れるか少し心配なんですが(笑)。
とりあえず当日はよろしくお願いしますと。
坂上
みなさん知ってのとおり、今回のツーリングには平忠彦さんも同行してくれます。バイクのこと、走り方のことでわからないことはドンドン尋ねてください。みなさんの走りを見て、平さんからアドバイスもあるかもしれませんよ。
それと主催者としましては、みなさんが今回のツーリングを心から満喫していただければ何も言うことはありません。当日は事故や怪我のないように、思う存分楽しんでください。