2024.9.10
原付一種(50cc以下)は、1980年代のピーク時から大きく減少したものの、今も約9万3千台の販売台数(2023年)があります。その原付一種が2025年の排ガス規制対応(2025年11月以降生産のバイクが規制の対象)のため、発生する開発費用など事業性の見通しが立たず、存続の危機を迎えているのは周知のとおりです。
そんな中、国民の足として欠かせない乗り物である、50cc以下の原付一種を存続させるため「新基準原付」として枠組みの見直しが検討されていました。125ccクラスであれば規制に対応しやすいため、従来の「排気量」で区分されていた枠組みを「最高出力」に変更し、125cc以下の車両の出力を4kw(5.4ps)以下に抑えて一定の基準を満たせば「50ccクラス扱い」とする案について検討が重ねられていました。
そして、2024年8月30日警察庁からは最高出力を抑えた125cc以下の新基準原付を道交法上「一般原動機付自転車」とする「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案(2025年4月1日施行)」が公表されました。
また、新基準原付に関する法改正~道路運送車両法施行規則の一部を改正する省令の制定について~が2024年11月13日、国土交通省から発表されています。
原付免許で乗ることが出来る125ccまでの車両は、これから発売される最高出力を4kw以下に抑えた「新基準原付」です。原付免許で現行の50cc超~125ccを運転することは無免許運転として扱われますのでご注意ください。
125cc以下の新基準原付が導入されても、二段階右折や30km/hの速度制限、2人乗りNG、普通免許に付帯される、といった現行原付のルールは継続される見込みです。
なお、電動バイクであれば排ガスが無いので規制をクリアできますが、現状では航続距離やコスト、インフラ等の問題もあり、原付一種を完全電動化するのは困難とされています。
有識者検討会による走行評価からは、125ccベースの新基準原付は車体が安定していることや加速性、パワーがかなり高く感じるなどの評価や、車体の大きさや重さによって、発進時のパワー不足や足つきのしずらさによる低速時の取り回しの難しさといったことが懸念される、などの評価がありました。
・関連報告書
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書概要(92KB)
二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 報告書(2,468KB)
●日本二普協 北海道ブロック